歯科矯正を行うにあたって歯科医に「先に歯周病を治す必要がある」と言われたことはないでしょうか?

一般的名歯科医の考え方としては「歯周病がある状態での歯科矯正は控えるべき」という考えが強いことでしょう。

ところが、最近では研究が進み「矯正によって歯周病の治療に繋がる」ということも分ってきました。

今回は、その歯科矯正と歯周病の2つの関係性について解説していきます。

■ 歯周病があっても矯正できるのか?

これまでは歯周病がある状態での歯科矯正は、歯肉とその内部の骨の形成が上手くいかずに歯周病が悪化する恐れがあったので、歯周病を先に治してから矯正を行うのが一般的でした。

 

しかし、研究と臨床実験が進む中で、矯正前に歯周病による細菌性の炎症を抑えることができれば通常の患者と同じように矯正が可能になりました。

さらには、矯正によって乱れた歯並びを治す際に、矯正前では治療が難しかった歯周ポケットも同時にきれいにすることができ歯周病を根本的な部分から治すことも可能になりました。

 

つまりは、

  1. 矯正のために現状の歯周病をある程度治す
  2. 歯を動かして歯並びを改善させる
  3. 矯正前では治療できなかった細部まで歯周病治療が可能になる
  4. 歯周病を治す
  5. 再び歯を動かす
  6. さらに歯周病治療を進める

といった好循環が生まれ、ただ単に歯周病を治すよりも、より確実に歯周病を治すことができる可能性があるのです。

 

■ 歯周病がある場合の矯正方法

歯周病の初期治療を行う

どんなに「歯周病があっても矯正ができる」といっても、やはり炎症がある状態では歯茎と歯が正常に固定されていないために矯正はできません。

医師の治療だけでなく患者さんも適切なブラッシングを心がけ、まずは歯茎の炎症を抑えていきます。

 

炎症が治まると歯茎が引き締まるので、一時的に歯と歯の間に隙間ができたり、歯茎がやせて歯が長くなるようにも見えますが、矯正を行う上では特に問題ではありません。

とりわけ、長期間歯茎が歯周病となっていた場合は、歯茎の隙間も大きく、見た目が良くないこともありますが後の矯正で治していきます。

歯石が付いていることも多いので、しっかりと歯と歯茎の隙間を掃除し、まずは現時点での歯周病治療に専念しましょう。

 

矯正治療と抗菌治療を行う

歯茎の炎症をある程度治したら、実際に矯正装置を取り付けて歯を動かしていきます。

また、歯周病を治すためにも抗生剤等の薬も使って歯周病の治療を行う場合もあります。

 

基本的に、最初に歯周病の治療を行うことを除くと、後は一般的な矯正の手順と殆ど同じです。

矯正で歯並びを整えた後は、リテーナーで歯と歯茎をしっかりと固定させます。

一つ、気をつけたいこととしては、通常の矯正だけでも丁寧な歯磨きが求められますが、歯周病も治す場合はそれ以上に丁寧な歯磨きが必要になることです。

【3つの磨き方】歯科矯正中の正しい歯磨きのやり方とは?

 

また、治療後も歯周病の再発を防ぐためにも日々の歯磨きは欠かせません。

矯正によって歯周病を治せることは確かですが、最終的にその治療の善し悪しを決めるのは本人次第ということには変わりません。

諦めずに矯正と歯周病治療の両方に向き合っていきたいです。

時間こそかかりますが、それでも歯並びと歯周病を同時に治せる可能性があるので、歯周病だからといって矯正を諦めるのはもったいないと言えます。

 

■ まとめ:歯周病でも矯正ができない訳ではない

このように一見、同時に治すことができないように思える歯科矯正と歯周病ですが、歯周病治療と矯正を交互に行うことで治せる可能性はあります。

基本的には歯周病を治してから矯正を行うのが一般的ですが、矯正と同時に歯周病治療を進めるという治療もあるので、病院選びの判断材料として覚えておくと良いでしょう。

ただ、歯科医院や矯正の専門医によっても考え方や見解が異なるので、歯周病の治療も同時に行う場合には歯科医とよく相談することをオススメします。

以上、参考になれば幸いです。